労働に関する法律・制度

労働に関する法律・制度 ~仕事選びから採用内定、入社まで~

執筆:宮城労働局雇用環境・均等室
(東北大学キャリア支援センター「東北大学キャリアガイド2016」(2016年3月発行)から転載)

労働条件決定の仕組み

 労働条件については、労働条件の明示、賃金、労働時間、休日、休憩、年次有給休暇、退職などに関する最低限度のルール(労働基準法) や、最低賃金に関するルール(最低賃金法)が決められています。
 また、仕事中にケガや病気をせず、健康で安心して働けるようにするため、事業者や労働者が守らなければならないルール(労働安全衛生法)や、仕事中や通勤途中にケガをしたときや仕事が原因で心身の病気になったときの補償などに関するルール(労働者災害補償保険法)が決められています。

仕事探しのポイント

 一番大事なことは、自分は何に興味や関心があるかを理解することです。第二に、自分はどのようなことに能力と適性があるかを理解することです。そして、最後に、情報を沢山集めて仕事についての理解を深めることです。そのうえで、賃金や休日などの個別の労働条件について「自分はどの条件を大事にして働きたいのか。」など、働くうえで大切にしたい条件に優先順位を見いだしていくとよいでしょう。ハローワークでは、職業興味検査や適性検査などを活用した職業相談を行っていますのでご利用ください。

採用内定取消し

 やむを得ず新規学卒者の採用内定を取り消そうとする事業主は、あらかじめハローワークおよび学校などの長に通知することとなっており、内定取消しを防ぐためのあらゆる手段を講じなくてはなりません。ハローワークでは、事業主に対して、内定取消しの回避に向けた助言・指導を行うこととしていますので、まずはすぐに大学、ハローワークまたは仙台新卒応援ハローワークに相談してください。

入社時期の繰下げ

 これは、採用内定取消しとともに、あってはならない問題です。
 事業主の都合により、採用内定の際に決められていた入社日を延期するときには、原則として採用内定者の合意を得る必要があります。入社日は変更しないものの、事業主の都合により休業させ、実際の就業をさせない措置(自宅待機といいます。)を行う場合には、その期間について休業手当を支払う必要があります。
 このような「入社時期の繰下げ」が告げられたら、卒業後でもかまいませんので、大学、ハローワークまたは仙台新卒応援ハローワークに相談してください。

性別を理由とした募集差別

 「男性募集」、「女性募集」といった性別を限定した募集・採用は基本的に禁止されています。使用者は、応募者の性別ではなく、適性や能力をみて採用者を決めなければなりません。性別を理由に応募できない場合は、労働局雇用環境・均等室にご相談ください。

労働条件の明示

 使用者は、労働契約を締結したときに、賃金、労働時間などの労働条件を明示しなければなりません。中でも、特に重要な労働条件(契約期間、賃金、労働時間など)は必ず書面によって明示しなければなりません。
 労働契約は、口頭でも成立しますが、書面に残しておかないと「言った。」「言わない。」ということになって後々トラブルが発生するもとになりますので、働き始めるときは口約束にせず、必ず労働条件通知書を受け取って内容を確認することが大切です。

労働条件の相違

 求人票の内容と実際の労働条件が相違している場合は、ハローワークに相談してください。ハローワークでは、会社から事実関係を確認するとともに、必要に応じ指導などを行います。
 また、働き始めて給料をもらってみたら求人票の中身と違っていたという場合は、どのような労働契約が成立していたかが重要になります。口頭だけの約束でも労働者と会社の記憶している契約内容が同一であれば問題ありませんが、違っていた場合には、どちらが正しいのかという問題が発生することになります。もし、「労働条件通知書を出してくれない。」、「給料の額が求人票と違う。」などがあれば、最寄りの労働基準監督署か総合労働相談コーナーに相談してください。

公正な採用選考システム

 職業選択の自由は、基本的人権の一つとして、すべての国民に憲法で保障されています。
 たとえば、家族の仕事先は本人に責任のない事項であり、支持政党は本来自由であるべき事項です。採用選考は、応募者のもつ適性や能力が、求人職種の職務を遂行するのに足りるかどうかだけを基準として行われるべきであり、このようなことを聞かれても答える必要はないと思われます。
 国は、公正な採用選考を確保するために、一定の従業員規模の事業所に公正採用選考人権啓発推進員を設置するなど、公正な採用選考システムの確立に努めています。

コラム

就業規則

 就業規則とは、会社で働くうえでのルールや賃金、労働時間などの労働条件に関する具体的な事項について定めた規則類の総称です。
 基本的にはいつも10人以上の労働者が働いている事業場では、必ず作成しなければならず、作成にあたっては労働者の代表の意見を聞き、作成した就業規則はいつも労働者が見られるようにしておかなければなりません。

ブラック企業とは

 最近、新聞やテレビなどでよく見聞きする、いわゆる「ブラック企業(会社)」とは、明確な定義はありませんが、「現代用語の基礎知識」によれば、残業が多く、パワハラやセクハラがあるといった理不尽なことのはびこる労働環境の劣悪な会社を指しています。(参考文献:現代用語の基礎知識、自由国民社、2012年、P.117910)
 万が一、入社してから仕事をするうえで困った場面に出会った場合は、最寄りの労働基準監督署か総合労働相談コーナーにご相談ください。

ハローワーク

 ハローワークでは、仕事を探している人であれば誰でも無料で職業の紹介を受けられます。また、就職を円滑に進めるための職業相談や職業能力の向上のための訓練、各種セミナーへの案内なども行っています。
 ハローワークの求人情報はインターネットで検索することも可能です。ホームページはこちら
 また、仙台新卒応援ハローワークでは、大学院・大学・高専・専修学校(2年制以上)などを新たに卒業される方と、卒業後概ね3年以内の既卒者を対象として、就職情報提供・相談を無料で行っています。ホームページはこちら

労働条件通知書

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